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「あなたがいてくれたから完結できた物語」大﨑建(監督)




『1年間辛かったです』

自分がシーズンの最後に発した言葉だけど

なんて情けなくて

なんて稚拙で

なんて弱々しいんだろう


明らかに言葉足らず


1シーズン18戦

17回連続で敗けて最終戦のみ勝利

しかも前半0-2のビハインド

実質17.5連敗

そこから3点取っての大逆転勝利


ピッチ脇でその光景を見てた感想は


『こんなこと起こるんだ』


きっと今シーズンどこのチームよりも

ドラマにするならうちが1番おもろい


だってこんなこと現実で起きるわけもない

17連続で敗けたやつらが

18戦目で大逆転ゲームなんて

できるわけないんだから


こちらの感覚としては

奇跡の瞬間に立ち合わせてもらった

自分はただ立ち尽くしてただけだけど


このチームの奇跡が起こるまでのストーリーは

見守ってきたはずだから


この奇跡の物話の語り部になるのが

自分の役目なんじゃないかって思い始めた

試合から2週間後が今



伝えたいことは2つ


ひとつはもちろんこれ

この選手たちは本当にすげえ!ってこと



理屈ではなぜ最後まで勝ちを求められたのかわからない

きっと友達に

『全然勝てないんだよね』

って話したら

『やめちゃえばいいじゃん』

って軽ーく当たり前のように言われるだろう

だってがんばる意味はなんだったのかわからない


勝ち点30を目標に残留を目指そうと

スタートしたこのシーズン

目標は最速で儚く消えた


それと同時にチーム目標である

『3年以内に東京都1部昇格』も消えた


けど、なんにも変わらなかった

練習態度も試合に向かう姿勢も

なんにもってきっと心の中は人それぞれ

だけどチームとしてはなにも変わらなかった


そんなことありえない


練習には一生懸命

試合には必ず勝利を信じて臨み続けた


結果としてシーズン始まってから

誰一人退部せずここまできた


これだけで奇跡だと思ってる


こんなチームだから最後までやれた

安い言葉かもしれないけど

最後まで信じてくれた


最後まで諦めない

ガキの頃からアホみたいに聞いた綺麗事

それを大マジで体現する選手たち


彼らとじゃなきゃありえなかった物語



もう一つ

このチームに関わってくれるみなさんもすげえ



これは社交辞令じゃない

本気ですごいというかありがたいって思うことがある


このオフ、他のチームの状況を聞いたりしたけれど

結果についてネガティブな声は必ずあるみたいだ


選手から、保護者から、OB OGから、大学から


厳しい声はあって然るべきだとも思うんだけど



自分の耳にはネガティブな声は一つもどこからも届かなかった

これは当たり前じゃない

っていうかこんなチームない


あれだけ負けても

頑張れ

諦めるな

また来ます

応援してますって


どんだけ温かいんだこの町は。



チーム活動の影響で

チームには多方面から関わる方が増えてくれた


未だ悪い人に会ったことがない



自分はそんな強くないから

心が折れそうになる瞬間もあるから

周りにいる人がこれほど重要だと知った



最終節の逆転は奇跡だと思う

ただし奇跡には要因がある



チームはシーズン中戦い方を変えなかった

普通負けてるチームはそんなことできない


けど変えなかった

自分達を信じ抜くことができた


おそらく周囲からのネガティブな働きかけが大きければ

これは不可能だった



この町の治安の良さや人柄の良さは

サッカーの内容に影響する

サッカーとはそういうスポーツだから


信じて支えてくれる人がいるから

ひたすら自分が正しいと思うものにこだわれる

過程とか成長にフォーカスできる



チームは最終節まで技術でサッカーを行った

自分達よりデッカくて速い相手ばかりだから

技で勝負しようと


だから最終節ビルドアップはほぼ成功した

ビハインドだったけど、ひたすらボールを握った


そもそもこの日のゲームプランは

ボールを握って相手を走らせまくる

相手のCBにたくさんプレーさせてバテさせること


これがうまくいったからできた逆転



最後の最後までこれだけ強気のプランで行けたのは

チームを下向かせないでくれた

周囲の人々がいてくれたからに他ならない



チームがやりたいサッカーは間違えなく前進してる

尻上がりに結果を良くしていけたシーズン

そしてついに拾えた勝利


このチームはもっと面白いサッカーするチームになる



そんな未来が楽しみすぎて

だからまた1年ここに残って

監督として働かせてもらうことにしました



もう決して何があっても折れないで共に歩めるだろう選手たちと

いつも明るくしてくれるスタッフたちと

優しくてあったかいチームに関わる皆様と

みんな大好きで落ち着くこの町で


最高の時間を過ごしていきたい


東京外国語大学男子サッカー部は次で101年目

このチームは強さで頂点を目指すチームではありません


ただ強いチームよりも

皆様の生活に人生になにかを与えられるチームになります


「社会的価値のあるスポーツクラブになること」


これを掲げて新たな100年に踏み出します

また1シーズンどうかよろしくお願いします!



TUFS FCは関わるみんなのチームです

これ読んでくれてるそこのあなた!


あなたがいてくれたから完結できた今シーズンでした!


心からの感謝をこれからも伝え続けていきます


みんなありがとう!!




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