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『文化を作る、そして育む』大﨑 建(監督)


人生はいつも予想がつかない




まさか自分の人生で


文系の国立大学のサッカー部の監督を


やることになるなんて思いもしなかった。






僕はあっという間に


この知る由もなかった大学に魅了された


その多くはここにいる人たちの魅力のおかげだ




今、僕の中には強い気持ちが芽生えている


この大学に貢献したい


このサッカー部にとって有益な仕事がしたいと






だから少しだけ僕の頭の中を紹介していく


これは部員にも伝えたことのないことがある


もしかしたら言わない方がいいかもしれない


ただ、記録として残すべきだと思った


いつか次のバトンを渡す時


僕の軌跡を残していくべきだと思った


この部活に貢献するために。






そして、今回書くことは


最も大事なことであり


ずっと引き継いでもらいたいことだ


僕が礎として築こうとしてるものの話




"文化"ってやつだ






【文化を作るということ】






この話をはじめるには


少し僕自身のここまでの足跡を見ていく必要がある


興味ねえなって思わず聞いてくださいよ〜




僕は元々高校の先生だ


その人がどうやって


東京外国語大学サッカー部に辿り着くのか?




僕は高校のサッカー部のコーチだった


2ndチームの監督なんかもやらせてもらった


自分で言うのもなんだけど


結果はすこぶる良かった


多分、監督としては


30試合して3回くらいしか負けてない


無敗優勝もした


毎年リーグ最少失点だった






元々サッカーを教えたいからなった高校の先生


そこで結果を出して意気揚々






そんな僕に声がかかった


社会人チームの監督だ


レベルは県1部、J6、7に相当する所だ




いきなりのスーパージャンプアップ


やらないわけがない


先生を辞めて自信満々で飛び込んだ




結果、勝てなかった


崩れ去った自信


ただ冷静に見つめ直せるようになった




俺になにが足りないんだ


答えはシンプルだった


『勝てるチームにまとめ上げる力』




カジュアルに言えばマネージメント能力がねえ


そういうことだった




僕は元々ただのサッカーオタクだ


ずっとサッカー観て、想像膨らませて


あんなこともできるこんなこともできる


そこで培われた知識は


現場で使えるものとなっていた


もちろん知らないことはたくさんだけど


そこが不足していることはなかった






サッカーの内容の話じゃない


選手1人ひとりとの関わり方


チームの動かし方


それが自分にはできてなかった




そしてその最たるものが


『チームの文化を作ること』




これが全くできなかった






この力を求めて次に僕が選んだ場所が




"ドイツ"だった






世界最高の監督を輩出し続ける国


外国人特有のオープンマインド


日本との違い




サッカーの内容ではなく


そこを探して海を渡ったのだ




ここで得たものが多く役立ってることは


書ききれないほどある


今日も少し登場するだろう






そして、ドイツで得たいものを得た頃






日本で再チャレンジできるチームを探した






そこで出会ったのが"東京外国語大学サッカー部"






チームを探す時、一つ決めてることがあった




『自分がやりたいと思えないチームには行かない』




何個か大学もチームもお話させてもらったことはあった




ただ、僕の中では


東京外国語大学のサッカー部しかなかった


ここでダメだったらサッカー界で生きていく道は諦めよう


そう思っていた






だから、ここで働けてることが幸せなわけで






こうして、遂に人生で関わるはずもない東京の文系の国立大学の超優秀な学生たちの監督となった。




ここから猛スピードで現在に向かうわけだ






【文化作りの礎】




こうして念願のチームで働き始めたわけで




1番大切な仕事がはじまる




"チームの文化を作ること"






まずはその前提の話からしていこう




文化とはなんだ?という話




これは根付いてしまったらなかなか変わらない




トレーニングの雰囲気、サッカーへの取り組み方、試合というものへの考え方、日々の過ごし方、ピッチ外の向き合い方などなど、、、




ここを勝てるチームの仕様にしたかった




みなさんは心当たりないだろうか?


とんでもない能力の選手を揃えたJチームが大した成績を残せないなんてことを




中村憲剛さんがインタビューで言っていた


最強だった川崎フロンターレでは紅白戦が1番大変な試合だと




文化とはこういうことだと思う






僕が体感したものは


社会人監督時代


0-1で負けていた後半ロスタイム


相手がハーフラインくらいから独走した


キーパーと1対1だ


『戻れ!!!』僕は叫んだ




しかし、そこに映っていたのは


ジョギングで戻るCB




こんなことありうるのか?


僕の世界は一変した




こういうサッカーへの取り組み方があることを知った。ただ僕は好きじゃなかった






なぜ?こんなことが起きるのか?


自問自答を続けた






自分の中に答えはある




それは普段のトレーニングの姿だった




僕のいたチームは在籍年数の長い人たちばかり




10何年一緒にサッカーをしてきた人たちと




毎練習バチバチ勝ち負けを争うなんて


なかなかできたもんじゃない






つまり、トレーニング中に


勝つためにボールを最後まで追う


なんて光景がなかったんだ




だからこそゲームでも同じことが起きる


それは自然なことだった






これがこのチームの文化だ






このチームで自分がやるべきだった仕事は


この文化を変えることだった


新たな文化をもたらすべきだった


戦術なんてのは二の次だったんだ






サッカーオタクだった僕はついに気づいた






『正しい熱量の上にある戦術しか意味を持たない』








さあ、ついにここから東京外国語大学


TUFS FCの話だ




随分長い前置きだったこと心よりお詫びする






じゃあ僕の作る文化とはなにか??






これが引き継いで欲しいと思ってるものだ






東京外国語大学サッカー部ってどんなチーム?


って聞かれた時


サッカーのプレースタイルなんかじゃなく


これだ!って答えて欲しい姿だ






それは "家族みたいなチーム" だ




エドワード・ニューゲートが最も欲しがったやつだ


親父の意志は俺が継ぐよい






"家族"






それはありきたりな言葉かもしれない




ただ僕の定義する家族みたいなチームには


3つの項目がある




① 物理的な距離が近いこと




② 部活の時間以外も長く一緒にいること




③ All for Oneができるチームであること






これが僕の描く"家族みたいなチーム"






これを作るために行ってきたことを


少しだけ出していこうと思う






話は僕がチームに合流する前からだ






まず僕は初日より練習前に


所属選手全員と1on1の面談を行った




話す内容はサッカーがメインではない




大学生活どう?楽しい?


大学生っぽい思い出できた?


休みの日なにしてんの?


好きなことなに?


おもろい特技ある?


彼女いるの?




本当にこんなんばっかだった




狙いはなに?




もちろん彼らと仲良くなるため


彼らのことを知るため


スタートから少しでも関わりやすくするため




これらはもちろん狙いとしてある






ただし、1番大きい狙いは




『自分の取るべきポジショニングを見極めること』だった




あーきっと意味わかんないよね




言い換えるとキャラクターとして


このサッカー部に足りないパーツはなにか?


どんな人間がいたら活性化するのか?


そして、監督としてできるポジションは?






そして僕がここに入れば盛り上がると判断したのは






『扇動者』だった






簡単に言えば、言い出しっぺとか火付け役






彼らにはなにかやりたい意志はあった


しかしみんなを巻き込んで


やっちゃえー!みたいな人がいなそうだった






だからそのイスを作りに行った






合流から2週間くらいで


どれだけの提案をしただろうか?


あれをやってみよう!これをやってみよう!






よっしゃー!BBQやろうぜー!






そんな時もあった






その発言をする前は恐怖に駆られた




いや、俺29歳、今年30歳


19とか20の子にBBQしようぜ!って


誰だって足ガタガタ震えるだろ






けど、僕はやるしかなかった


これをやらなきゃここにいる意味がないから


だから僕は今もなお扇動者という役割は


続けているつもりだ






それでも最高の選手たちは


全部面白がって聞いてくれたり


すべらせてくれたりした






そう!余裕ですべりまくってる!


だってなんだよ!強制メシって!!






そうだ!でも強制メシもきっと狙いがわかるだろう




②部活以外の時間も長く一緒にいる






を実現させるためだ






しかも学年とかもバラバラで


普通だったら一緒にメシ行ったりしない人と


部活外の時間を過ごす






これが狙い、だから強制する必要がある






そう!一つ一つに意味があるんだ






僕らのチームの挨拶はハイタッチからはじまる






これは①物理的な距離を縮めるためだ






毎日選手と目を合わせ、手を合わせる


時には頭をなでたり、お尻を叩いたり




マネージャーとはできないけど


彼女たちも絶対大切なチームメイトだから


ハイタッチくらいはしている






僕は多分めちゃくちゃ選手に触ってる


距離はめちゃ近いし、じゃれ合うこともある


肩に肘置かせてもらうときもある




結構意識的にやってる


嫌がられないようにしないとなとは意識してますよ。もちろん。あ、嫌だったら言ってよ。ね?




ちなみにハイタッチの挨拶は


完全にドイツからの盗んできた




盗んできたものは他にもまだまだある






1つはSieger Foto(ジーカーフォト)だ




Siegってのはドイツ語で勝利を意味する




勝者の写真って意味だ






トレーニングのゲームで勝った方のチームは


写真撮影をしてる。それをSNSにも載せてる。




罰ゲームじゃない勝利のモチベーションだ


殺伐としてしまうような罰をつけず


トレーニングで勝ちにこだわれる方法




その一つがこれだ






2つ目は呼び名だ




僕のドイツ時代アシスタントしてた監督は


イタリア人だった




アレクサンダー??的な名前だった気がする




けど初日から"トッティ"だって自己紹介してた




ニックネームか。日本人でも洋名つけてるな






僕は彼を"トッティ"って呼んだ




すぐ仲良くなれた。トッティだからこそだった






日本に帰って『大﨑さん』なんて


呼ばせるわけにはいかない




そこから"家族みたいなチーム"は生まれない




だから僕も洋名をつけた"マルコ"






初日に伝えた"マルコ"って呼ぶこと






みんなニヤニヤだ。軽すべりとも言える。




けどね




多分今のチーム状態




『大﨑さん』には作れなかったと思うわ




これは選手にも伝えたことあったような??






なんで"マルコ"かって??




野暮なこと聞くなよい!






こうやって僕のチーム作りは始まった


ここに書いたのは


本当に合流2週間くらいの出来事だ






ここから伸ばしていきたいのは③だ






"All For One"






逆は僕ら民族はそこそこ得意だと思う


けど、こっちはどうだろう






誰か1人のためにパワーが発揮できるチーム


こっちのがムズイだろ






今日の相手に特別な思いがあるあいつのために!


怪我で悔しい思いをしてるあいつのために!


いつも支えてくれてるマネージャーのために!




そうやってパワーが発揮できるチームにしたい






だからやっぱり


1人1人のことをよく知ることがなにより大切で






僕らは30人弱の部活だ!


最高の人数だ!モブなんて1人もいない!




みんながどこからどのくらいかけて練習に来てるのかも大体知ってる




彼ら一人一人が輝くために


[生涯誇れる大学生活]を送るために




彼らを後押しできるチームを作りたい






かなり長くなった


5000字くらいいったかもな




でもまだまだ書くことはあるんだけど


今日はこのくらいにしておこう








さて、結んでいこうか




僕はこの大学、このサッカー部が好きだ


愛してやまない




今の雰囲気のチームが一生続いてくれと


心から思っている




だからこそ、この文化の礎を丁寧に築き上げていきたいと思ってる






僕は今幸せだ。幸せが近い。


この空間にいられているからだ






いろんなとこを転々としてみたかった自分が




"ここに一生いられたら幸せなのかもな"




なんて甘えたこと考えて


シバキ回したくなることもあるくらいだ






最高の時間を過ごせているのは


TUFS FCを愛してやまないみなさんのおかげだ






この感謝を形にしていきたいと思っています


勝利。だけではなくね!






サボることはしません


勤勉こそが僕の最高の売りだと思っています






皆様どうか期待して


これからもお見守りください!


今後ともどうかよろしくお願いいたします。








東京外国語大学サッカー部 大﨑 建




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